離婚協議書サンプル集|パターン別の実例と正しい使い方

離婚の合意はできた。協議書を書かなければいけない。でもゼロから文面を考える余裕も知識もない——検索窓に「離婚協議書 サンプル」と打ち込んだのは、まさにそんな状況ではないでしょうか。

サンプルがあれば一気に前に進めます。ただし、ネット上のサンプルをそのままコピペすると、自分のケースに合わない条項が入っていたり、必要な条項が抜けていたりする危険があります。

この記事では、基本のサンプル全文に加えて、子供なし・住宅ローンあり・慰謝料ありなどパターン別のカスタマイズポイントを具体的に解説します。あなたの状況に合った離婚協議書を作るための実践的なガイドです。


離婚協議書のサンプルを使う前に知っておくべきこと

「サンプルをそのまま使って、後から問題になったらどうしよう」という不安は正しい感覚です。ここで3つのポイントを押さえておけば、サンプルを安全に活用できます。

サンプルはあくまで「たたき台」

インターネット上の離婚協議書サンプルは、一般的なケースを想定して作られています。あなたの状況に合わない条項が含まれていたり、逆に必要な条項が抜けていたりする可能性があります。

必ず確認すべき3つのポイント

  • 自分の状況に合った条項がすべて含まれているか
  • 不要な条項が入っていないか(ないのに「慰謝料」の条項がある等)
  • 金額・日付・名前などの固有情報を正確に入れ替えたか

  • 【基本パターン】子供あり・財産分与ありのサンプル全文

    「まず全体像を見たい」という方へ。協議離婚で最も多いケース(子供1人・財産分与あり)のサンプル全文です。このサンプルをベースに、次のセクションで自分のケースに合わせてカスタマイズしていきます。

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    離婚協議書

    ○○○○(昭和○年○月○日生、以下「甲」という)と

    ○○○○(昭和○年○月○日生、以下「乙」という)は、

    甲乙間の離婚に関し、以下のとおり合意した。

    第1条(離婚の合意)

    甲と乙は、協議により離婚することに合意し、乙が令和○年○月○日

    までに離婚届を○○市役所に提出する。

    第2条(親権者)

    甲乙間の長男○○○○(令和○年○月○日生、以下「丙」という)の

    親権者を乙と定め、乙において監護養育する。

    第3条(養育費)

  • 甲は乙に対し、丙の養育費として、令和○年○月から丙が満20歳に
  • 達する日の属する月まで、毎月金○万円を、毎月末日限り、

    下記口座に振り込む方法により支払う。

    【振込先】○○銀行○○支店 普通 口座番号○○○○○○○

    口座名義人 ○○○○

    振込手数料は甲の負担とする。

  • 物価の変動、甲乙の収入状況の変化、丙の進学、病気その他
  • 特別の事情が生じた場合には、甲乙協議のうえ養育費の額を

    変更することができる。

    第4条(面会交流)

  • 乙は、甲が丙と面会交流することを認める。
  • 面会交流は月1回程度とし、日時・場所・方法については、
  • 丙の福祉を最優先に甲乙が事前に協議して定める。

    第5条(財産分与)

    甲は乙に対し、財産分与として金○○○万円を、令和○年○月○日限り、

    第3条記載の口座に振り込む方法により支払う。

    第6条(年金分割)

    甲と乙は、婚姻期間中の厚生年金について、按分割合を0.5と定める

    ことに合意し、離婚届提出後速やかに年金分割手続きを行う。

    第7条(通知義務)

    甲および乙は、住所、電話番号、勤務先その他連絡先に変更が

    生じた場合は、速やかに相手方に通知しなければならない。

    第8条(清算条項)

    甲と乙は、本協議書に定めるもののほか、名義の如何を問わず、

    互いに何らの債権債務がないことを確認する。

    以上の合意を証するため、本書2通を作成し、甲乙各自署名押印のうえ

    各1通を保有する。

    令和○年○月○日

    甲 住所:〒○○○-○○○○ ○○県○○市○○町○-○-○

    氏名:○○○○ 印

    乙 住所:〒○○○-○○○○ ○○県○○市○○町○-○-○

    氏名:○○○○ 印

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    【パターン別】状況に応じたカスタマイズポイント

    基本パターンだけでは自分の状況に合わないケースも多いはずです。ここからは、住宅ローン・慰謝料・子供なしなど、よくある4パターンの修正ポイントを具体的に解説します。

    パターン①:子供がいない場合

    子供に関する条項(親権・養育費・面会交流)を削除し、財産分与と清算条項を中心に構成します。

    削除する条項: 第2条(親権者)、第3条(養育費)、第4条(面会交流)

    追加・変更のポイント:

    • 財産分与の内容を充実させる
    • ペットがいる場合はペットの引き取りについても記載

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    第○条(ペットの引き取り)

    甲乙間で飼育している犬(犬種:○○、名前:○○)は乙が引き取り、

    飼育にかかる費用は乙の負担とする。

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    パターン②:住宅ローンがある場合

    住宅ローン付きの不動産は、離婚協議書で最もトラブルになりやすい項目の一つです。以下の条項を追加してください。

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    第○条(不動産の財産分与)

  • 甲名義の下記不動産は、離婚に伴い乙に譲渡する。
  • 【不動産の表示】

    所在:○○県○○市○○町○丁目

    地番:○○番○

    家屋番号:○○番○

    種類:居宅

    構造:木造スレート葺2階建

    床面積:1階○○.○○㎡、2階○○.○○㎡

  • 上記不動産に係る住宅ローン(○○銀行、残債務約○○○万円)は、
  • 甲が引き続き返済する。

  • 甲は、住宅ローンの完済後速やかに、上記不動産の所有権移転登記
  • 手続きに協力する。

  • 甲が住宅ローンの返済を2回以上怠った場合、乙は甲に対し
  • 代替の財産分与として金○○○万円の支払いを請求できる。

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    重要な注意点: 住宅ローンの名義変更は、金融機関の承諾が必要です。離婚協議書に書いただけでは名義は変わりません。事前に金融機関に相談してください。

    パターン③:慰謝料がある場合

    不貞行為(浮気・不倫)やDVが原因の離婚では、慰謝料の条項を追加します。

    一括払いの場合:

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    第○条(慰謝料)

    甲は乙に対し、離婚に伴う慰謝料として金○○○万円を、

    令和○年○月○日限り、第3条記載の口座に振り込む方法により支払う。

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    分割払いの場合:

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    第○条(慰謝料)

  • 甲は乙に対し、離婚に伴う慰謝料として金○○○万円の支払い
  • 義務があることを認める。

  • 甲は、上記金額を令和○年○月から令和○年○月まで、毎月末日
  • 限り金○万円ずつ(最終回は残額全額)、第3条記載の口座に

    振り込む方法により支払う。振込手数料は甲の負担とする。

  • 甲が前項の分割金の支払いを2回以上怠ったときは、甲は当然に
  • 期限の利益を失い、残額全額を直ちに支払わなければならない。

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    パターン④:年金分割がある場合

    基本サンプルに含まれていますが、補足ポイントを説明します。

    3号分割と合意分割の違い:

    • 3号分割: 平成20年4月以降の期間について、届出だけで自動的に2分の1に分割される。相手の合意は不要。
    • 合意分割: 平成20年3月以前の期間について、合意または裁判で按分割合を決める。

    年金分割の請求期限は離婚から2年以内です。協議書に記載しても、年金事務所で実際に手続きをしなければ分割されません。忘れずに手続きしましょう。


    サンプルの各条項の意味と変更時の注意点

    条項 意味 変更・削除する場合の注意
    離婚の合意 協議離婚の基本。必須 提出者・期限は状況に合わせて変更可
    親権者 子供の親権を定める。子供がいれば必須 子供が複数いる場合は、子供ごとに記載
    養育費 子供の生活費。子供がいれば必須 金額は養育費算定表を参考に。終期を明記
    面会交流 別居親と子の交流。子供がいれば推奨 頻度は柔軟性を持たせる書き方がベター
    財産分与 共有財産の分配。財産があれば必須 不動産・ローンは特に慎重に
    年金分割 婚姻期間中の年金の分割。推奨 手続き期限(2年)に注意
    通知義務 住所等の変更通知。推奨 強制執行時に相手を見つけるために重要
    清算条項 これ以上の請求をしない確認。必須 必ず入れる。入れ忘れると追加請求のリスク

    「このサンプルでOK」と思う前にチェックすべき3つのこと

    サンプルを自分のケースに合わせたら、提出前に必ずこの3点を確認してください。ここを飛ばすと、離婚後に「あの条項を入れておけば」と後悔することになりかねません。

    チェック①:抜けている条項はないか

    あなたのケースで必要な条項がすべて含まれているか、もう一度確認してください。特に見落としがちなのは以下の項目です。

    • 学資保険の名義と受取人
    • 生命保険の受取人変更
    • 住宅ローンの負担
    • 引越し費用の負担
    • 子供の姓と戸籍

    チェック②:金額と日付は現実的か

    養育費の金額は、裁判所が公開している「養育費算定表」(令和元年12月改定版)を参考にしましょう。双方の年収と子供の年齢・人数から、おおよその目安額がわかります。

    非現実的な金額を設定すると、結局払えなくなって不払いにつながるリスクがあります。

    チェック③:公正証書にする予定があるか

    このサンプルを公正証書にする場合、公証人が内容を確認し、必要に応じて修正を提案してくれます。公正証書にする予定がある場合は、完璧を目指しすぎず、まずは合意内容を書面にまとめることを優先しましょう。


    まとめ — サンプルはあくまで出発点

    この記事のサンプルは、あなたの離婚協議書を作るための「出発点」です。

    大切なのは、サンプルをコピペして終わりにするのではなく、自分の状況に合った内容にカスタマイズすること。そして、可能であれば専門家のチェックを受けること。さらに言えば、公正証書にして法的な力を持たせること。

    自分の状況に合った、使える書類を手に入れることが目的です。

    今日やるべき1つのこと: この記事の基本パターンをコピーし、自分に不要な条項を削除、必要な条項を追加してみてください。完成度は60%で構いません。まず「たたき台」を作ることが、次のアクション(相手への確認・専門家チェック)につながります。


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    ※本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言ではありません。具体的な法律問題については、弁護士にご相談ください。

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